研究会の紹介

会長挨拶

アルコール関連問題予防研究会について

我々臨床に携わっている者が研究会を開く場合、アルコール依存症の難治症例を検討するための会をイメージすることが多いと思います。そのような会のメンバーは、病院スタッフと保健所・福祉事務所など行政関係スタッフと相場は決まっています。予防のレベルからみると、このような会はアルコール関連問題の三次予防に焦点をあてた活動と言われます。実際、このような研究会を通じて、多くの症例が救われてきており、その存在意義は充分あります。

我々のアルコール関連問題予防研究会(以下、研究会)は、これとは少し毛色を変えようというところから始まりました。予防レベルのより前の段階、すなわち、一次・二次予防に焦点をあてた研究会を作ろうと考えたわけです。平成4年の夏のことです。

その後今日に至るまで、毎月第三木曜日に横浜駅に近い会場で、この研究会を続けてきています。平成25年7月で、開催した研究会の回数は250回を数えています。通常、お招きする講師には50分ほどご発表いただき、その後30分程度の質疑応答時間を持ちます。参加者には必ず一言喋っていただくことをモットーに、この質疑の前に、毎回全員に簡単な自己紹介をしてもらっています。予防研究会の最大の成果は、予防活動実践のノウハウの習得とそれに必要なネットワーク構築にあるようです。私どもの実感として、この研究会は、啓発活動の実践や問題の早期発見・治療に大きな貢献をしてきていると思います。

会員は、教育、研究、実践も含めて基本的にアルコール関連問題の予防に携わっている人です。最近は、アルコールに限らず他の依存や嗜癖も発表の対象としているため、より幅広い分野から研究会に参加いただいています。本研究会に興味のおありになる方々は、本研究会事務局にご連絡ください。また、直接研究会に参加いただくことも可能です。多くの方々の参加をお待ちしています。

平成25年7月
アルコール関連問題予防研究会代表
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長
樋口 進

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